マンション修繕情報

2. マンションの大規模修繕はほんとうに必要?

10~15年毎位で大規模修繕工事が実施されます。マンションの周りに足場が建ち、外壁などを修繕しています。

大規模修繕工事とはマンションの共用を中心に行う修繕です。

この内容は大規模修繕工事の目的や進め方などを説明してきます。

マンション大規模修繕が必要な理由は?

コンクリートで造られてるマンションは本来とても丈夫です。それでも太陽や雨のため、経年劣化が進んでいきます。多くのマンションでは10~15年位ごとに大規模修繕工事を実施し、建物の維持管理に努めています。

1.マンションの性能を回復する

大規模修繕工事の大きな目的のひとつは、経年劣化により低下した性能を回復し、安全性や住みやすさを確保します。

マンションの外壁はきれいに塗装がされたり、タイルが貼られています。。こうした塗装やタイルには見た目の美しさを演出するという目的がある一方で、構造部のコンクリートを雨風や太陽から保護するという大切な役割も担っています。屋上やバルコニーの防水や階段などに塗料が塗られているのも同じ理由です。

徐々に劣化が進んでいきます。ひび割れやはがれなどが発生すると、そこから雨水が入り込み、少しづつ内部のコンクリートを傷めていきます。さらにコンクリートの内部に組まれている鉄筋まで雨水が入り込むと、やがて鉄筋は錆びて大きく膨張し、まわりのコンクリートを押し上げて割っていきます。こうなると建物の強度も大きく下がってしまいます。

建物を長持ちさせるためには、こうした深刻なダメージに至る前、劣化が小さなうちに直していくことがとても大切です。塗料を塗り直したり、防水シートを張り替えたりして機能・性能を回復させ、建物の土台であるコンクリートを守ってあげます。

こうした補修工事は劣化が深刻化してから直すというよりも、修繕時期を逃さないため、計画に基づいて定期的に行うことに意味があります。

2.マンションの資産価値を守り、進化させる

機能・性能の回復を図ると同時に、建物をさらに進化させる改良工事も大切なポイントです。

マンションは何十年と長く使っていくものなので、時代や暮らす方たちの変化とともに求められるニーズも少しづつ変わってきます。ベースとなる建物は定期的な修繕で良好に保ち、住んでいるうちにわかってくる不便な箇所は改良したり、時代に即した新しい設備を取り入れたりすることで建物は更なる進化が可能になります。

マンション全体をガラッと刷新する大掛かりな工事もありますが、一部の施設や設備を改良するだけでも暮らしやすさに大きく貢献します。

例えば、マンションの顔となるエントランスの改修は人気の項目です。オートロック機能の付いた自動ドアを設置したり、バリアフリー化の一環としてスロープや手すりを設置ししたり、宅配ボックスと一体化した集合ポストを設置したり、エントランスは多くの方が日々使用する場所ですので、組合員の要望を上手く取り入れることで利便性が高まり満足感を感じていただきやすい場所です。また、来訪者を1番最初に迎える場所でもありますので、明るく清潔感のあるエントランスは対外的なイメージアップにも大きく貢献します。

マンション大規模修繕工事にかかる費用と工事期間は?

次に、大規模修繕工事にかかる費用や工事期間を見ていきたいと思います。建物の規模や工事の内容によっても変わってきますが、目安はどれくらいでしょうか。

マンション大規模修繕工事の費用の目安

大規模修繕工事にかかる費用は、1戸当たりおおよそ70~150万円位と言われています。

大規模修繕工事は、組合員が毎月納めている修繕積立金です。新築時のまま、もしくは長らく見直しが行われていない場合は注意が必要です。長期修繕計画に物価の変動が反映されていなかったり、修繕積立金が低く設定されいたりすると、本来必要となる費用と積立金の間に乖離が生じ、いざ工事の準備がはじまった時、積立金が足りず必要な工事ができないといったことになりかねません。こうした事態を避けるためにも、長期修繕計画は5年毎位で定期的な見直しを行いましょう。長らく見直しが行われていない場合は、早めに見直しを行い、資金計画に問題がないか確認していただくことをおすすめします。

マンション大規模修繕工事の工事期間

大規模修繕工事の工事期間はマンションの規模によっても変わってきます。下記はおおよその目安ですが、特殊な形状や超高層の建物などは、一般的な目安よりも少し工期が長くなる場合があります。

50戸未満の小規模マンション  3~5ヶ月程度
 50~100戸位の中規模マンション  5~8ヶ月程度
 100戸を超える大規模マンションや団地、タワーマンションなど  6ヶ月~1年程度

さらに、工事前の1年~1年半位前には管理組合内の体制を整え、準備をスタートさせます。建物診断や入札準備、施工会社の選定など工事前に決めなければいけないことは多岐にわたります。必要があれば専門家のアドバイスも受けて準備を進めましょう。さらに築年数が経過したマンションでは、大規模修繕工事のほかにも、耐震補強工事やサッシ・玄関扉の交換工事、給排水管の更生・更新工事など、検討している項目が複数に及ぶ場合もあります。協議が必要な議題もさらに多くなりますので余裕を持って準備期間を設けましょう。

マンション大規模修繕工事の進め方は?

ここでは、マンション大規模修繕工事の計画から工事が完了するまでの進め方を紹介します。

1.管理組合内の体制作り

大規模修繕工事の計画をスタートする際、最初に行うのは管理組合内の体制作りです。理事会が計画全体を主導するケースも多いですが、マンションによっては「修繕委員会」を設置する場合もあります。

修繕委員に選ばれた方は、工事の計画段階から工事が完了するまで継続して委員を担当するのが一般的です。大規模修繕工事は計画段階から工事が終わるまで、2~3年程度を要するため、理事の任期交代に伴う引継ぎ時のロスを減らすほか、他の組合運営業務を抱える理事会の負担を軽減する効果も期待できます。

2.工事の発注方式を決める

管理組合内の体制が整ったら、次に工事の設計や施工をどこに依頼するのかを決定します。大規模修繕工事は専門的な内容が多いので、計画の段階から専門家が入り、管理組合と一緒に協議を重ねながら計画を進めていくのが一般的です。

代表的な発注方式に「管理会社主導方式」「設計監理方式」「責任施工方式」があります。どの方式を採用するかで工事全体の進め方に大きく影響しますので、それぞれのメリット・デメリットを十分考慮し、決定することが大切です。管理組合の実情に応じ最適な発注方式を選びましょう。

【発注方式①】「管理会社主導方式」

「管理会社主導方式」は日常管理をお願いしている管理会社に大規模修繕工事の設計から工事までを一任する方式です。大規模修繕工事を実施するには、建物診断や見積書の準備、施工業者選定などやるべきことが多岐にわたりますが、日頃からやり取りのある管理会社に準備から工事までを一任できるので、管理組合側の負担が大きく軽減されることが最大のメリットです。費用はやや割高になる傾向がありますが、日常的に接点のある会社なので、何かあった時も相談しやすいという心理的な安心感も働きます。

【発注方式②】「設計監理方式」

「設計監理方式」では、工事の設計・監理と施工とで役割を分けて、別の会社に依頼するのが特徴です。工事の設計と監理はコンサルティング会社や建築士事務所と契約し、工事自体は施工会社と別契約します。「工事の設計・監理を担当するコンサルティング会社」と「工事を担当する施工会社」とで役割を分けることで、工事に対するチェック機能が働くため品質を保つ上でも効果的です。

コンサルティング会社に支払う費用が別途発生しますが、管理組合自身で見積の内容や工事の仕上がりなどについて適正かどうかを判断するのはやはり難しいと感じる方も多いと思いますので、知識や経験が豊富な専門家の存在は大きなサポートとなります。

【発注方式③】「責任施工方式」

「責任施工方式」は管理組合が施工会社と直接契約し、工事を発注する方式です。施工会社は工事に留まらず、建物診断や設計、見積作成など準備段階から完工まで、工事全体を一貫して対応します。管理会社やコンサルティング会社が入らない分、費用を抑えられる傾向があります。

工事に関するやり取りは直接施工会社と行うことになりますので「管理会社主導方式」や「責任施工方式」に比べると管理組合自らが動く機会は増えますが、提案力のある施工会社とよい関係が築ければ要望もダイレクトに伝わり価格・品質ともに満足度の高い仕上がりが期待できます。

分譲マンションで暮らし始めると12~15年毎位で大規模修繕工事が実施されます。数か月間、マンションの周りに足場が建ち、外壁などを直している様子を目にした方も多いと思います。

大規模修繕工事とはマンションの共用部分を中心に行う定期修繕ですが、そもそもどういった工事なのでしょうか。

「そういう工事があるのは知っていたけれど…」「理事や修繕委員に選任されて、改めて詳しく調べ始めた」という方もいらっしゃると思いますので、この記事では大規模修繕工事の目的や進め方、ポイントなどを解説してきます。

マンション大規模修繕が必要な理由とは?2つのポイントで解説

鉄筋コンクリートで造られてるマンションは本来とても丈夫な造りをしています。少しくらいのダメージで壊れてしまうようなやわな造りではありませんが、それでも日々外気や雨に晒されるうちに少しづつ経年劣化が進んでいきます。そのため、多くのマンションでは12~15年位ごとに大規模修繕工事を実施し、建物の維持管理に努めています。ここでは、大規模修繕工事の目的を大きく2つ確認していきます。

1.マンションの機能・性能を回復する

大規模修繕工事の大きな目的のひとつは、経年劣化により低下した機能・性能を回復し、安全性や住みやすさを確保することです。

例えば、皆様のマンションの外壁はきれいに塗装がされたり、タイルが貼られていたりすると思います。こうした塗装やタイルには見た目の美しさを演出するという目的がある一方で、構造部のコンクリートを雨風や日の光から保護するという大切な役割も担っています。屋上やバルコニーの防水処理や鉄製の階段などにペンキが塗られているのも同じ理由です。

しかし、こうした塗料や防水層も日々雨風や強い日の光にさらされ、徐々に劣化が進んでいきます。ひび割れやはがれなどが発生すると、そこから雨水が入り込み、少しづつ内部のコンクリートを傷めていきます。さらにコンクリートの内部に組まれている鉄筋まで雨水が入り込むと、やがて鉄筋は錆びて大きく膨張し、まわりのコンクリートを押し上げて割っていきます。こうなると建物の強度も大きく下がってしまいます。

建物を長持ちさせるためには、こうした深刻なダメージに至る前、劣化が小さなうちに直していくことがとても大切です。塗料を塗り直したり、防水シートを張り替えたりして機能・性能を回復させ、建物の土台であるコンクリートを守ってあげます。

こうした補修工事は劣化が深刻化してから直すというよりも、修繕時期を逃さないため、計画に基づいて定期的に行うことに意味があります。そのためマンションでは12~15年程度の周期で大規模修繕工事が計画・実施されています。

2.マンションの資産価値を守り、進化させる

機能・性能の回復を図ると同時に、建物をさらに進化させる改良工事も大切なポイントです。

マンションは何十年と長く使っていくものなので、時代や暮らす方たちの変化とともに求められるニーズも少しづつ変わってきます。ベースとなる建物は定期的な修繕で良好に保ち、住んでいるうちにわかってくる不便な箇所は改良したり、時代に即した新しい設備を取り入れたりすることで建物は更なる進化が可能になります。

マンション全体をガラッと刷新する大掛かりな工事もありますが、一部の施設や設備を改良するだけでも暮らしやすさに大きく貢献します。

例えば、マンションの顔となるエントランスの改修は人気の項目です。オートロック機能の付いた自動ドアを設置したり、バリアフリー化の一環としてスロープや手すりを設置ししたり、宅配ボックスと一体化した集合ポストを設置したり、エントランスは多くの方が日々使用する場所ですので、組合員の要望を上手く取り入れることで利便性が高まり満足感を感じていただきやすい場所です。また、来訪者を1番最初に迎える場所でもありますので、明るく清潔感のあるエントランスは対外的なイメージアップにも大きく貢献します。

マンション大規模修繕工事にかかる費用と工事期間は?

次に、大規模修繕工事にかかる費用や工事期間を見ていきたいと思います。建物の規模や工事の内容によっても変わってきますが、目安はどれくらいでしょうか。

マンション大規模修繕工事の費用の目安

大規模修繕工事にかかる費用は、1戸当たりおおよそ130~150万円位と言われています。

大規模修繕工事の原資となるのは、組合員が毎月納めている修繕積立金です。新築時のまま、もしくは長らく見直しが行われていない場合は注意が必要です。長期修繕計画に物価の変動が反映されていなかったり、修繕積立金が低く設定されいたりすると、本来必要となる費用と積立金の間に乖離が生じ、いざ工事の準備がはじまった時、積立金が足りず必要な工事ができないといったことになりかねません。こうした事態を避けるためにも、長期修繕計画は5年毎位で定期的な見直しを行いましょう。長らく見直しが行われていない場合は、早めに見直しを行い、資金計画に問題がないか確認していただくことをおすすめします。

マンション大規模修繕工事の工事期間

大規模修繕工事の工事期間はマンションの規模によっても変わってきます。下記はおおよその目安ですが、特殊な形状や超高層の建物などは、一般的な目安よりも少し工期が長くなる場合があります。

 50戸未満の小規模マンション  3~5ヶ月程度
 50~100戸位の中規模マンション  5~8ヶ月程度
 100戸を超える大規模マンションや団地、タワーマンションなど  5ヶ月~1年程度

さらに、工事前の1年~1年半位前には管理組合内の体制を整え、準備をスタートさせます。建物診断や入札準備、施工会社の選定など工事前に決めなければいけないことは多岐にわたります。必要があれば専門家のアドバイスも受けて準備を進めましょう。さらに築年数が経過したマンションでは、大規模修繕工事のほかにも、耐震補強工事やサッシ・玄関扉の交換工事、給排水管の更生・更新工事など、検討している項目が複数に及ぶ場合もあります。協議が必要な議題もさらに多くなりますので余裕を持って準備期間を設けましょう。

マンション大規模修繕工事の進め方は?

ここでは、マンション大規模修繕工事の計画から工事が完了するまでの進め方を紹介します。

1.管理組合内の体制作り

大規模修繕工事の計画をスタートする際、最初に行うのは管理組合内の体制作りです。理事会が計画全体を主導するケースも多いですが、マンションによっては「修繕委員会」を設置する場合もあります。

修繕委員に選ばれた方は、工事の計画段階から工事が完了するまで継続して委員を担当するのが一般的です。大規模修繕工事は計画段階から工事が終わるまで、2~3年程度を要するため、理事の任期交代に伴う引継ぎ時のロスを減らすほか、他の組合運営業務を抱える理事会の負担を軽減する効果も期待できます。

2.工事の発注方式を決める

管理組合内の体制が整ったら、次に工事の設計や施工をどこに依頼するのかを決定します。大規模修繕工事は専門的な内容が多いので、計画の段階から専門家が入り、管理組合と一緒に協議を重ねながら計画を進めていくのが一般的です。

代表的な発注方式に「管理会社主導方式」「設計監理方式」「責任施工方式」があります。どの方式を採用するかで工事全体の進め方に大きく影響しますので、それぞれのメリット・デメリットを十分考慮し、決定することが大切です。管理組合の実情に応じ最適な発注方式を選びましょう。

【発注方式①】「管理会社主導方式」

「管理会社主導方式」は日常管理をお願いしている管理会社に大規模修繕工事の設計から工事までを一任する方式です。大規模修繕工事を実施するには、建物診断や見積書の準備、施工業者選定などやるべきことが多岐にわたりますが、日頃からやり取りのある管理会社に準備から工事までを一任できるので、管理組合側の負担が大きく軽減されることが最大のメリットです。費用はやや割高になる傾向がありますが、日常的に接点のある会社なので、何かあった時も相談しやすいという心理的な安心感も働きます。

【発注方式③】「設計監理方式」

「設計監理方式」では、工事の設計・監理と施工とで役割を分けて、別の会社に依頼するのが特徴です。工事の設計と監理はコンサルティング会社や建築士事務所と契約し、工事自体は施工会社と別契約します。「工事の設計・監理を担当するコンサルティング会社」と「工事を担当する施工会社」とで役割を分けることで、工事に対するチェック機能が働くため品質を保つ上でも効果的です。

コンサルティング会社に支払う費用が別途発生しますが、管理組合自身で見積の内容や工事の仕上がりなどについて適正かどうかを判断するのはやはり難しいと感じる方も多いと思いますので、知識や経験が豊富な専門家の存在は大きなサポートとなります。

【発注方式③】「責任施工方式」

「責任施工方式」は管理組合が施工会社と直接契約し、工事を発注する方式です。施工会社は工事に留まらず、建物診断や設計、見積作成など準備段階から完工まで、工事全体を一貫して対応します。管理会社やコンサルティング会社が入らない分、費用を抑えられる傾向があります。

工事に関するやり取りは直接施工会社と行うことになりますので「管理会社主導方式」や「責任施工方式」に比べると管理組合自らが動く機会は増えますが、提案力のある施工会社とよい関係が築ければ要望もダイレクトに伝わり価格・品質ともに満足度の高い仕上がりが期待できます。

3.建物診断の実施

発注方法が決まったら、次に行うのは建物の現状把握です。大規模修繕工事予定時期の1年位前になったら建物診断を実施しましょう。建物診断では専門の調査員が目視・打診調査、機械調査などで、建物のどこにどのような不具合が発生しているかをこまかく確認していきます。建物診断を行うことで、建物の現状をしっかり確認できるので、工事の実施時期の検討や緊急度の優先付け、工事内容の組み立てなどに役立てることが出来ます。

4.修繕計画・予算をたてる

建物診断の結果をもとに大規模修繕工事の工事内容を決定していきます。劣化症状から緊急度の高い箇所を優先的に組み込みましょう。また、シーリング工事やバルコニーの防水工事など、足場が建ったタイミングで一緒に実施する方が経済的な工事もあります。

建物の安全性を高める耐震補強工事、サッシの交換など居住性を高めるための改良・改善工事など、建物を元の水準からさらに進化させることを目的とする工事項目もあります。

経年劣化によるダメージを直した上で、さらに建物をどういった方向性で維持管理していくのか、将来像も見据えながら、建物の状況やマンション内での意見、予算なども十分考慮しがら検討していきましょう。

5.施工会社の選定

工事の内容や予算が決まったら、施工会社を決めていきます。施工会社の選定では一般的に、専門紙などでの公募や組合員からの推薦、インターネット検索などで候補を募り、応募のあった会社から書類選考で数社に絞ります。その後、「ヒヤリング」と呼ばれる各社のプレゼンテーションの場を設け、最終的に1社を決定します。

6.総会決議

工事の概要が決定したら、管理組合総会を開催します。マンションの大規模修繕工事は総会での決議を経て、初めて実施ができる工事です。組合員が同じ方向性を見て気持ち良く工事に臨むことができるよう、建物診断の結果や工事の方向性、予算の用途、施工会社の選定理由など、しっかり説明ができるよう準備をして臨みましょう。

7.工事説明会の開催

総会で無事承認が得られたら施工会社と契約をし、工事の準備に入ります。着工の1カ月程度前になったら組合員に向けて工事説明会を開催しましょう。工事の成功にはマンションにお住いの皆様の協力が不可欠です。工事の概要をはじめ、安全上の留意点、日常生活で協力をお願いする事柄などについては、特に時間を使って丁寧に説明する時間を設け、工事への理解を促しましょう。

8.着工

工事説明会が済むといよいよ工事が始まります。工事期間中は建物のまわりに足場が建つほか、多くの作業員や車両などが出入りをします。危険な箇所には近づかず、工事説明会で説明のあった生活上の留意点にくれぐれも注意して過ごしましょう。

9.竣工・引渡し

工事が進み終盤になると竣工検査を行います。竣工検査では管理組合立ち合いのもと、不具合が発生している箇所がないか確認し、手直しが完了次第、引渡しとなります。引渡し時に受け取る竣工図書は大切に保管しましょう。

マンション大規模修繕工事中の生活はどうなる?

大規模修繕工事期間中は建物周囲に足場が建ち、普段とは環境が大きく変わります。工事をする側もなるべく普段と変りなく過ごしていただけるよう工夫をしていますが、住んでいる方々のご理解・ご協力は欠かせません。

次にあげる代表的なお願いのほかにも、生活上ご協力いただきたい内容は、工事説明会で詳しく説明があると思いますので積極的に参加をし、心づもりをしておきましょう。

バルコニーの使用制限

工事で発生した粉塵や塗料で洗濯物を汚してしまうのを避けるため、バルコニーでの洗濯物干しを控えていただく日が出てきます。洗濯物が干せるかどうかは、エントランス等に設置される工事掲示板などで事前に確認ができるようになるのが一般的です。

また、バルコニーに置かれた荷物や植物なども工事期間中は片づけていただく必要があります。植物などは一時的に仮置きスペースを設置するなどの対策をとる場合もありますので確認しましょう。

駐車場の移動のお願い

工事期間中の足場や仮設物の設置スペースを確保するため、一時的に駐車スペースの移動をお願いする場合があります。該当する方には、他の駐車区画を準備するか、周辺の月極駐車場を提供するといった対応が一般的です。

防犯面により一層の注意を

工事期間中は作業員を含め多くの人が出入りするほか、建物周囲に足場が設置されるため、部屋内への第三者の侵入などにも注意が必要です。もちろん、施工側でも最大限の注意を払い防犯対策を行っていますが、万一の事態を避けるためにも、窓や玄関には鍵をかける、補助錠を取り付けるなど、いつも以上に用心に用心を重ねて過ごしましょう。